令和ピボットニュース

令和ピボットニュース 2019/07/01

令和ピボットニュース(2019年7月1日号)

みなさんこんばんは。いつも夜になってすみませんが、本日の令和ピボットニュースをお送りします。

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■ 藤井聡氏の最新記事。「増税で景気が低迷してしまうと、税収は(上がるのではなく)むしろ下がる」という、単純な原理を政治家やエコノミストは理解する必要があります。

藤井聡:「良薬口に苦し」でなく「毒薬口に苦し」の消費税
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/257091

“今日のようなデフレ経済が続くなかで、どれだけ消費増税を繰り返しても国の借金は減らずむしろ増えてしまう”

“そもそも消費税を2%上げたところで、増える税収は5~6兆円だ。しかし経済が毎年安定的に3%の成長をすれば、税収は2兆円程度拡大していく。だから増税などせずに、安定的な成長を保持していれば、ものの2、3年で消費税率を2%上げる程度の増収を実現できるのだ”

“わが国は1997年の消費増税のせいで、2018年時点の税収を約35兆円、増税以後の21年間で約600兆円以上もの税収を喪失してしまった”

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■ ↓こういう、悲惨な労働者の生の声を、もっと政治家や財界人やエコノミストに届ける必要があります。
ところで、「公共部門が非正規雇用を活用するようになっていること」は、それ自体が大きな問題です。これでは、公共部門が失業率を下げることには貢献できるものの、賃金についてはむしろ低下を後押ししてしまうのですから。

これ以上、わたし頑張れません
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190624/amp/k10011966571000.html

“臨時職員としての採用で1か月の給与は約16万円。ボーナスを合わせて年収は230万円ほどでした。決して楽な生活ではありませんでしたが、ようやく仕事に就けたという達成感と、日々の業務にやりがいを感じながら、図書室での仕事を続けてきたといいます”

“ところが、働き始めてから10年ほどたったある日、思ってもみなかったことが起きたといいます。「給与がそれまでの半分に減らされたんです。有給休暇もボーナスもなくなりました”

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■ 「人口が減少するのだから経済成長なんて目指しても仕方ない」みたいなことを言う人は多いですが、それは間違っていることを示す記事です。

米国の経済指標が示す、人口減少が「低成長の言い訳」にならない理由
https://www.sbbit.jp/article/cont1/36560

“クリントン政権下の1993年から2000年まで、米国の経済成長率は年平均3.9%だったが、この間の人口増加率は年平均でわずか1.1%に過ぎない。……つまり、この間の経済成長のうち2.8%は、生産性の上昇でもたらされたものなのだ”

“(日本は)2000年代後半からは人口減少時代に突入しており、今後はその傾向が一層強まると見込まれている。この人口動態が経済成長にマイナス要因であることは間違いない。
だが、国立社会保障・人口問題研究所(2019)によると、今後の人口動態の変化率は、年平均で2020年代は0.5%減、2030年代は0.7%減と1%未満の減少率だ。もし、これからの日本でクリントン政権下の米国と同様の生産性加速が実現すれば、人口減少を織り込んだとしても、2%程度の経済成長が不可能というわけではないのだ”

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■ 税収が過去最高というニュースがありました。これ自体は国民全体が豊かになっていることを示すものでも、日本経済の先行きが明るいことを示すものでもありませんが、重要なのは「少子高齢化で成長が望めないから増税するしかない」とかいう話はウソであるとハッキリ分かることですね。

税収最高の60兆円超 18年度、バブル期上回る
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46582770W9A620C1MM0000/

“国の2018年度の税収が60兆円超になることが26日、分かった。バブル期の1990年度(60.1兆円)を超えるのは確実で過去最高となる。18年度は世界経済が好調で株式の配当収入などが増え、所得税が伸びた”

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■ 今後こういう話題が続いていくと思いますが、トランプ大統領がまた「なぜアメリカが日本を守ってやらねばならないのか」とボヤいているという記事です。日米同盟を全否定する必要はありませんが、アメリカが親切で日本を守ってくれると思うのは大間違いです。

トランプ氏、ホルムズ海峡の船舶防衛は自国で-日本など名指し
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-06-24/PTLZVG6K50XZ01

“トランプ氏は24日、「なぜわれわれが代償もなしに他国のために(長年にわたって)輸送路を守っているのか。そうした国々は全て、自国の船を自ら守るべきだ」とツイート。ツイートの中でトランプ氏は、中国が91%、日本は62%の原油をホルムズ海峡経由で輸入していると記した”

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■ 主流派からの批判を恐れてか、MMTを正面から肯定することには消極的ですが、それでもMMTの意義を認めざるを得なくなってきていることが分かる記事です。

「バブルやMMTブーム、低金利時代の必然」櫻川慶大教授
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL21HP4_W9A620C1000000/

“主流派経済学では、借金が膨大なのに金利が低く、それが財政の持続性を担保しているという日本経済をうまく説明できない。やがて世界中、日本のようになるかもしれない。なにせ新興国まで過剰貯蓄なのだから。このような事態を主流派経済学は想定していなかった。まだ確信には至らないが、低金利を前提にすれば、MMTを根拠とした経済政策は正当化される可能性はゼロではないのかもしれない”

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■ 日本だけが世界のトレンドに反して緊縮政策を採り続けようとしていることのリスクが指摘されています。

米中貿易戦争より大きい日本経済のリスクとは――先進国では日本だけ「異常な状態」が続く
https://toyokeizai.net/articles/-/288902

“だがアメリカではMMT(現代貨幣理論)に関する議論が注目されるなど、世界的な経済成長率の低下のもとで拡張的な財政政策の必要性が高まっている、との見解は経済学の世界では広範囲に認められつつある。そうした中で、日本では10月に消費税が引き上げられ、先進国の中でほぼ唯一緊縮財政が始まることになる。脱デフレの途上にある中で、安倍政権は他国とは反対に緊縮的な財政政策に踏み出すわけである。さらに財政政策によって国債購入金額が決まる制約から離れ、日本銀行が積極的な緩和政策を講じなければ、「日本は政府・中銀ともに脱デフレ完遂に背を向ける政策を行っている」との評価になることを覚悟すべきだ”

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■ 消費増税の最大の問題は、消費性向(人々が稼いだお金のうちどれぐらいを消費に回すかという指標)を下げてしまうことにあり、この観点からすると、今年予定されている増税によってさらに消費性向は下がるだろうという分析です。そしてそれは、長期間かけてジワジワと日本経済を蝕んでいくことになり、ある意味リーマン級の短期的ショックよりもたちが悪いのではないか、と。

10月からの消費増税が「リーマン級危機」より筋が悪いと言える理由
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65527

“家計消費にとってマイナスの影響が大きかったのは、消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合)の低下、言い換えると、貯蓄率の上昇であったと考える。実際の消費性向の推移をみると(図表5)、2013年の「アベノミクス」開始によって、大きく上昇したのち、2014年4月の消費増税をきっかけに上昇が止まった。
このことから、「アベノミクス」は、もし消費増税がなければ、実際の所得の増加と消費性向の上昇の相乗効果によって消費全体を増加させ、ひいては、デフレを解消させた可能性があったと考える。だが、消費増税の実施によってその流れは止まってしまった。”

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