令和ピボットニュース

令和ピボットニュース 2020/10/31

令和ピボットニュース(2020年10月31日号)/「東京の特別区制度は素晴らしい」という嘘、賛成派ほど大阪都構想を知らない、毎日の報道はデマではない、都構想でコストは増える、橋下徹氏の不当な批判、多数の学者が指摘する「都構想の危険性

本日の令和ピボットニュースです。
大阪都構想に関する重要な記事・動画をまとめてみました。

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■ 大阪都構想が支持される理由の一つに、「東京23区は発展しているから」というものがありますが、これは全くの誤解です。特別区制度は、むしろ23区域の住民にとって損になる仕組み。この点について、下記の記事が非常に的確にまとめています。少し長くなりますが主要部分を要約・抜粋しておきます。

都構想、得失は? 東京23区 財政調整、都とせめぎ合い/大阪では 8割を区に還流、格差懸念
https://mainichi.jp/articles/20201014/ddm/002/010/118000c

・東京都庁の幹部によると、特別区の「財政調整」制度は、都が区の政策に全体的に関与しグリップすることができる「魔法のつえ」になっているとのこと。つまり「区」は「都」に従属する立場で、自治を失うということです。

・東京23区で作る特別区長会の事務局次長によると、「東京23区の歴史は、事務の権限とそれに見合った財源を手に入れるための闘いの歴史だ」とのこと。特別区というのは、それだけ、地域の「自主性」や「自律性」が損なわれた「損」な仕組みだということです。

・今回の大阪都構想の財政調整の仕組みを「東京よりはマシだ」とする主張もありますが、東京・千代田区の幹部によると「結局、財源を握られているということは、行政にとって死活問題。特別区ができれば、府と配分や事務分担で激しいやりとりが起き、将来的にはそれぞれ市への昇格を目指すのではないか」とのこと。

・千代田区は企業の本社が多く、固定資産税と法人住民税が本来は3300億円あるが、(都に吸い上げられるため)区に入るのは20〜40億だけ。あまりにも損が大きいので、19年前から「市への昇格」を目指す「千代田市構想」を掲げている。

・東京23区でも、区によって住民サービスの格差は大きい。大阪都構想でも、財政調整制度があっても格差はできると考えられる。

・総務省の幹部は、「市町村合併と異なり、政令市を廃止して特別区に再編する制度には、あらかじめ設定されたメリットはない」と断言。「あらかじめ設定されたメリットがない」とは、今回の制度変更そのもによって特をすることは何も無いという意味です。

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■ 大阪都構想は、推進派にとって都合の悪い事実(たとえば「大阪市が無くなる」という基本的なことも含めて)が十分に語られず、ありもしない「効果」ばかりが喧伝されてきました。その結果、「都構想についてよく知らない人ほど賛成する」「都構想について正確な知識をもっている人ほど反対する」という、恐ろしい状況が作り出されて、そのまま住民投票に突入しようとしています。

大阪都構想、事実を知るほど「反対」になる
https://news.yahoo.co.jp/articles/2112384d4d50b595202009c0f8c6e4b7f55440a1

大阪市が無くなります。
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12634975038.html

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■ 毎日新聞の「大阪市分割のコストは218億円」という報道には、「仕事が増えるにもかかわらず予算を増やさないなら、サービス水準は下がる」という大前提があります。じつは、今回の都構想の案では、基準財政需要額は「増やさない」と決められているのですが、それは無理やりそうしているだけであって、「サービスを維持しようとしたらどれぐらいの費用が必要か」を試算する必要はあります。
そういう試算に対して、「今回の都構想案では基準財政需要額は増えないことになっている。だからこの試算はデマだ」というのは、それこそが本質を捉えていないデマだ・・・という解説です。

【緊急対談】大阪都構想“追加コスト218億円はデマ”という大嘘 三橋貴明 × 藤井聡(京都大学大学院教授)
https://www.youtube.com/watch?v=CIz7WR7tEic&feature=youtu.be&t=373&fbclid=IwAR1_5DzgpoB8efpaNLHKXu3941vNl-7vNeCkChvy8ZATxB_mtmef6_JmNxA

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■ 毎日新聞の「218億円」が「デマ」だの「虚偽」だの「捏造」だのと言われ、それを出した財政局自体が撤回してしまいましたが、財政学者である森教授が別途概算してみると、150億円から200億円になるとのこと。
「デマだ」と言って撤回させた数字が、実はおおよそ正しかったということですね。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1231336440578944&id=100011077999006

“以上から、普通態容補正は段階補正と一定程度相殺する効果をもつが、それによって市が4分割されることによるスケールメリットの低下に伴う行政コスト増が相殺される面はさほど大きくないとおもわれる。もちろん、どの程度相殺されるかは精査が必要であるが、218億円から消防費分や徴税費分の差額など約14億円に加えて、保健衛生費および地域振興費(人口)などの減額分を差し引いた150億円~200億円程度という推計が妥当であるとおもわれる”

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■ 大阪市を4分割すると、業務量が肥大化して、仕事がまわらなくなるという分析を、大阪市役所の人事局が行っています。仕事がまわらなくなるということは、サービスが下がるということ。サービスレベルを下げないなら、コスト増です。

「大阪都構想で行政サービスが下がる」役所が明らかにしたそのメカニズム(藤井聡)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2478188ce3aa14b490c9a47d2559ea491631dd3e

“本来なら、大阪市を四分割するなら、それぞれの区に、最低限の専門家を配置するくらいの「人員増強」が必要なのですが……そういう対応は図られず、その結果、行政サービスの劣化は、確実に生じてしまうわけです”

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■ 橋下徹氏が「毎日新聞は大阪市廃止に反対するのは利権があるからだ」と批判していますが、これが、毎日新聞のビジネスに関する基本的な事実確認もせずに主張されているものだということを、室伏謙一氏が解説しています。

橋下徹氏・大阪都構想「毎日新聞の利権」という妄想/室伏謙一
https://www.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=2GseXoAA8Xg&app=desktop

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■大阪都構想については、多数の研究者がその「危険性」を指摘しています。以下の記事にあるように今回も132名もの研究者が声を挙げています。これだけ多数の学者が明確に「危険だ」と声を挙げる政策というのは、そうはありません。このことの重みをよく考えるべきです。

藤井聡:大阪都構想はどう考えても「論外&大損」…132名の学者からの「警告」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76792?fbclid=IwAR2n-_mGknX_n95F1Tg9U10ZaVbA80BkZTIxvxMTUokl1IkIC9b1ZdqTr1Q

“イメージのみで都構想を是認してしまえば、大阪市民は間違いなく「大損」を被ることになるだろう。そうした最悪の悪夢を回避するためにも、一人でも多くの皆様方に、132名の学者たちの警告にぜひ耳を傾けていただきたいと思う”

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